Morrisというギター会社について

釣り鐘型トラスロッドカバーのモーリスギターのヘッド

僕が今持っているアコギはMorrisだけなんです。

僕が過去に持っていたアコギは、Morrisが6本、ヤマハ3本、オベイション1本、Thumb1本、・・・あとはよく覚えてない、ってなところなのですが、今手元にあるのは寺田楽器のモーリスが2本だけです。

なぜそうなったかというと、圧倒的なる「当たり」が寺田楽器のモーリス2本しか経験がないからです。1本は元「ぼっこギター」のF-12(だったかな?)でした。これは確かマホガニーバック(だったと思う、記憶があいまい)でしたが、そのすごい音量に驚かされました。今は残念ながら手元にありません。

2本目は今所持しているF-18(天板塗装済み)です。シミがついたかわいそうな姿で我が家に到着したのですが、実力は今はなきF-12に勝るとも劣らないものでした。天板を塗りなおした結果、とてもカッコイイギターになってると自負してます。そして、どちらも000タイプ?昔でいうフォークギター・タイプです。

これはきっと、僕の運のめぐりあわせなんでしょう。ドレッドノートタイプのギターで良いのに当たったことがないというのが僕が理由です。あ、でも、今思い出したけど、実は韓国製のモーリスである MG-301は結構よく鳴っていたと記憶しています。当時よちよちだった息子が面白半分に倒した際、ネックがお亡くなりになってしまいましたが・・・・

私の息子が韓国製のモーリスである MG-301を倒してネックを折ってしまうイラスト

モーリスギターの謎

ご存じの方も多いかもしれませんが、このモーリスというブランドはじつにややこしい製造体制を採っていました。モリダイラ楽器、寺田楽器、飯田楽器、矢入楽器の4社が製造に参加していた模様で、飯田楽器がどちらかといえば廉価版のモデル、矢入楽器が高級品、寺田とモリダイラはどうも需要の多いところを作っていたような感じに見えます。

そして、それが完全に分業されていたわけではなく、「あ、今F-12が在庫無くなりそうだから、寺田さんお願い」みたいな作業体制を引いていたのではないかと思われます。そのため、サウンドホールの中に見えるスティッカーも統一性がなく、時には丸く、時には四角く、時には製造会社も表示されていないというありさまです。

そのため、大体のスティッカーに表示されている担当者サインでどこ製か見分ける、ということもあるようです。実は僕の持っているギターで良いと思うのは、全部F.Yamadaさんだったと記憶しているので、僕が探すのは基本、寺田楽器のYamadaさんのギターだけです。ちなみに判っているサインについてご案内します。(すみません、敬称略です)

寺田楽器 : Yamada、Sasaki、Yamazaki、Iwai

飯田楽器 : Sugiyama, Nagao, Tamakoshi, Karasawa:

モリダイラ楽器 : T.Moridair, S.Hokari、S.Harada

ところで、なんとなく気になったので、製作会社のその後どうなったかもしらべてみました。ちなみに矢入楽器は今も昔もS.Yairiなので、高級品一本槍で現役バリバリ。なのでここからは外します。

モーリスギター製作会社のその後

モリダイラ楽器(現在もバリバリの現役)

創業者の森平利男氏が興したこの会社は、現在も日本の楽器業界の大手商社兼メーカーとして確固たる地位を築いています。

  • 現在のMorrisギター:
    • 高級ライン(Hand Made Premium): 長野県松本市の自社工場で、職人がハンドメイドで製作しています。「ソロギター向け」のSシリーズなどが有名で、品質は極めて高いです。
    • 普及ライン(Performers Edition): かつて飯田楽器が作っていたような低〜中価格帯は、現在は中国などの海外工場に生産が移っています。
  • 商社としての顔: 実はモリダイラ楽器は、ギターを作るだけでなく**「海外ブランドの輸入代理店」**としてめちゃくちゃ強い会社です。
    • HOHNER(ホーナー): ハーモニカ
    • Jim Dunlop(ジム・ダンロップ): ピックやエフェクター
    • Moog(モーグ): シンセサイザー
    • Paiste(パイステ): シンバル これらの一流ブランドの日本総代理店として、今も楽器業界を牛耳っている(良い意味で)存在です。

2. 飯田楽器製作所(歴史の彼方へ)

かつてMorrisのF-10、F-12、W-20など、日本の若者が最初に手にするギターを何万本、何十万本と作り続けた「製造の要」でしたが、現在はギター製造を行っていません。

  • 衰退の理由: 1980年代後半からの「円高」と「人件費高騰」が直撃しました。 「定価1〜2万円のギターを日本国内で作っていては採算が取れない」という時代になり、Morris(モリダイラ)も生産拠点を徐々に韓国(Peerlessなど)や中国へ移さざるを得なくなりました。
  • その後: 飯田楽器(愛知県)は、Morrisの生産ラインの海外移転に伴い、その役割を終える形でギター製造から撤退しました。かつてあれほど大量にあった「飯田製Morris」は、今や「二度と作られない日本の量産技術の結晶」として、ジャパン・ヴィンテージ市場で再評価されています。

3.寺田楽器のその後(実は勝ち組)

寺田楽器はどうなったかというと今もめちゃくちゃ元気です。

  • 現在の寺田楽器: 自社ブランドを持たず「OEM(他社ブランドの製造)」に徹するスタイルを貫きましたが、その技術力が世界的に評価されました。
    • Gretsch(グレッチ): 高級ラインは寺田製です。
    • Epiphone(エピフォン): 日本限定の高級モデル(Elitist)を作っていました。
    • D’Angelico(ディアンジェリコ): フルアコの最高峰なども手掛けています。

まとめると:

  • モリダイラ: 商社&高級メーカーとして大成功。
  • 飯田楽器: 時代の波(円高)に飲まれ、役割を終えて静かに幕を下ろした。
  • 寺田楽器: 高度な技術力で「世界のハイエンドOEM工場」として生き残った。

・・・というわけです。長い歴史のなかで、モーリスギターは特殊な栄華衰退をしたということなんですね。

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