
ヤフオクで落札したお宝 モーリスF-18
今、僕が最も愛しているアコースティック・ギターがこれ、Morris F-18。ジャパン・ヴィンテージと言ってよいと思う激鳴りのギターです。
楕円形のスティッカーと、ヘッドについていた黒い台形のプラスチックのトラスロッド・カバーから見て、1970年〜1973年頃の製品で「寺田楽器」の製品です。
当時モーリスというギターブランドは「モーリス持てばスーパースターも夢じゃないというラジオ(!)の宣伝で有名でした。このブランドは、おそらくあまりに売れたためだろうと思われるのですが、モリダイラ楽器、飯田楽器、そして寺田楽器という3社で製作されていました。
ひとつの工場で複数のブランドを作成することはままあっても、複数の会社がひとつのブランドを作るっていうのは、あまりなかっただろうな、と思います。
このF-18を作ったのは寺田楽器で、当初は様々な木工製品を手掛けていたと思われますが、後にその技術力を活かして弦楽器製造へシフトし、グレッチ(Gretsch)やオービル(Orville)、そしてモーリスなどのOEM生産を行う名門工場となりました。

僕は、このギターをヤフオクで買ったんです。まともな状態のアコギは楽器屋とかハードオフでも結構値段が張るので、ヤフオクでとりあえず買ってみる、という方法で手に入れていることが多いです。
そんないい加減な入手方法をしていても、50年も昔の製品ながら、本当のカスを引くことはそれほど経験ありません。当時の作りの良さが伺えます。このギターの落札価格は確か4000円くらいだったと思います。安く落札できた理由は板にシミがあったからです。

ね、汚いでしょ(笑)
ところがこれ、驚くべき大当たりだったんです。腐った弦でも、すごくでかい音でゴリっと鳴ってくれました。僕は基本的に音が大きい楽器はよい楽器だと思っています。鳴りが良いということはニュアンスをしっかり出してくれるということですから、きちんと調整すれば素晴らしい活躍をしてくれます。
寺田楽器製モーリスF-18を生き返らせる
手に入れてからは、迷わず塗装とペグ交換、そしてブリッジは牛骨に変えて少し削ります。ネックはまっすぐで手を入れる必要はありませんでした。ちなみにトップはスプルースの合板、サイドはローズウッドと、当時の入門機の普通のスペックです。

上の写真でペグを見ると、一見しっかりしているように見えますが、さすがに安ギターのペグはだめですね、交換は必須です。まあこれは今時アマゾンで買えば安いものですし、交換も簡単にできます。
だがしかし、このギターで大変だったのは天板の塗装を剝がすことです。紙やすりで2日位はずっと剥がして、何とか塗装にこぎつけました。サイドは問題なかったので手を入れてません。

全体的にマスキングして、明るい色のラッカーを塗り、紙やすりでならして、そのあと、天板にランダムにテープでマスキングをして、少し暗い色のラッカーを塗ります。それを何度か繰り返して塗り重ね、また紙やすりでサンディング、そしてクリアーを吹いてまた紙やすり・・・となかなかの長い工程でなんとか仕上げまでもっていきました。

これが今の様子。調子よく鳴ってくれています。自分では渋くて、だいぶカッコいいと思ってます(笑)塗装後にブリッジピンは牛骨に変えました。
そもそもセッションなどではアコギを弾く機会は今はほとんどないため、人前でこのギターを持ち出すことも無いですが、この子はいままで出会ったアコギではツートップの片方です。・・・死ぬまで付き合っていく相棒です。
たった4000円のギターがプライスレスの価値を持ち、これ以上の物は世界にあまりない、いままで長い人生で出会ったギターのうちのtop4に入っていて、代わりを探すのは難しい、と思えるんだから、ジャパンヴィンテージのギターは楽しいですよね。
だって、考えてみると僕のなかでは、ギブソンのオールドと、モーリスの入門機を一緒に並べてるわけだから・・・おかしいよね。
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